モテ期到来!35歳・夏
人は人生の中で三度、モテ期があるという。
私は基本、他人に興味がない。(自覚したのはつい最近なのだが。)なので、自分でも把握してない自分なりの興味の〝ツボ〟に引っかからない限りは、大抵周囲の人が何を考えていようが、私を見て笑っていようが、嫌っていようが、さほど影響はない。
ただ、それが例え〝好意〟であろうが同じで、学生時代のある時期、ある男の子が私に好意を持っていてくれたらしく、私と仲良くしていた友人に頼み、仲を取り持ってもらおうとしたらしい。
休み時間に私を会話の輪の中に入れてみたり、カラオケに誘ってみたり、自分の家とは真逆なのにチャリのニケツで私を家まで送ってくれたりと、あの手この手でアプローチしてくれていたらしいが、当の本人は全くと言っていいほど気付いていなかった。
それからしばらくして、友人から「◯◯くん、マス(私のあだ名)のこと好きやったんよ。でもマスが振り向いてくれんけって、諦めたんて。」というような事を聞いた。
ンなもん……知るかいっ!!!
そのように、「あのとき好きでした」という事後報告告白が他にも何度かあり、その度にちびまる子ちゃんの「ガーン」の時の顔をしながら、第1モテ期が通り過ぎていった。
わたくしとても鈍いので、申込書にご記入の上、メールまたは郵送でお知らせください。
第2モテ期はあんまり嬉しいモテ期ではなかった。
それは、なぜか「妻子持ちに言い寄られる」というパターンで、それを「モテ」と言っていいのか分からないが、とにかくモテていた。
妻子持ちはある意味潔い。
すでに妻子という〝ホーム〟を持っているので、告白がとても軽い。例え言い寄ってフラれたとしても、〝ホーム〟があるのでちょっとやそっとじゃ傷つかない。だから、妻子持ちは図々しい。(あくまで個人的観察に基づいてます)
この場合はわかりやすい攻撃なので、こちらもダイレクトな攻防で応戦する。
他人に対してコレだけは言ってはいけないという言葉が私の中にあって、それが「キモイ」なのだが、ある人は何を言って断ってもしつこかったので、最後のトドメに「キモイ」と一言贈った。それも、〝あなたの存在が〟という意味で。
すると相手は「傷ついた……」と言った。
当たり前だ。傷つけたのだから。
そして今年。
忘れ去られていた三度目のモテ期がついにやってきた。
ある人は私の両手をガシッと掴み、ジッと見つめてみたり。
ある人はわざとらしく何度も職場のトイレを借りにきたり。
ある人はカット中の油断した私のおっぱいをタッチしてきたり。
そしてある人は朝、夕とピンポンダッシュをしてみたり……。
わたくし最近、5,6歳くらいの男子にかなりモテています。