お菓子大臣のおまんじゅう
初めて会う人への手土産は、よほど日頃からその人の好みを熟知していない限りは
消えものがいいと思っていたし、それは一般常識的な考えだと思っていたのだが、
どうやらそうではない人たちもいるようだ。
初対面の人と会うとき、私はいろいろなことを考えて手土産は大抵無難にお菓子にする。
その「いろいろなこと」とは、
・好みがわからない
・もし本人が好きじゃなくても他の人にあげれる
・帰りに邪魔にならない
・価格的にも気を遣わせるものではない
とかで、まぁ万人がもらってもそうそう困らないものだろうと認識しているからだ。
とは言え、「お菓子」と言っても駄菓子からケーキまで様々なものがある。
だから私は『どこで会うか』、『どうやって帰るか』、『どれくらいの時間過ごすのか』などを考慮にいれる。
例えばの話、相手が営むお店に私がいくとしたら、冷蔵庫に入れなきゃいけないようなものでもオッケーになる。
だが、都会の駅近のカフェで会うとなれば、
過ごす時間や帰りのことを考えたらドライでコンパクトなものになる。
季節にもよるけど、
例えば寒くて乾燥するようなときなら、「カルディの少し上等なマヌカハニーののど飴」とかにするかもしれない。(これは一度ある)
龍角散なら手軽に買うけど、マヌカハニーは少量で高い。あまり自分ではわざわざ買わないだろう部類に入る。
バッグにも入ってコンパクトだし。
、、、、とまぁ、こんなふうに相手がもらって大丈夫そうなものを選ぶようにしている。
これをふまえて、実際に体験した思わず「?」となるようなお土産の話をしたい。
これは私がSNSでしか交流のなかった人と初めて会うことになった時に何度か体験したときの話。
◆Aさんからもらった私のテイストじゃない雑貨
例えば直焙煎珈琲屋さんをしている人に他店の珈琲豆を持って行ったりしない。
その理由は、自分のとこで毎日作っているものだし、新鮮味もないだろう。
どうせあげるなら直焙煎珈琲に合うようなお茶菓子にする。
そのような原理で、私はブレスレットをいただいた。
小学生なら喜びそうな、お土産ショップの片隅にあるような雰囲気を放っていた。
誤解なきように言っておくが、当たり前だけど気持ちは嬉しい。
だけど、ごめんなさい、これは・・・着けないかなぁ。
まず、小物はそれぞれ好みがあるからね。
初めて会う人にあげるものじゃないと私は思っている。
なぜあえて難易度の高いものを選んだのか不思議で仕方がない。
◆Bさんからもらった自作ポエム絵葉書
これはね、本当に、ダメだよ。
(誤解なきように言っておくが・・・以下同文)
ちゃんと「作品」として昇華できてないものを、自己満で押し付けるのは本当にダメ。
だし、本当に「作品」だとしたら簡単にあげちゃダメでしょう。
という価値観なんです、私は。
忘れないように念押ししておくけど、初対面だからね。
お世辞でも「あ、これ嬉しいな。買いたいな。」と思えるものではなかったし、
印刷は自前プリントでかすれていたし。。。
文字も「あ、これは作品なんだな」として受け取れるものではなかった。
字が、汚かった。(ホントごめん)
そしてそれを「これあげます。好きなの持って帰っていいですよ」という言い方をされたのだが、その言い方が上からな雰囲気だったのにも少しイラッとした。
おそらくその方の中では「とてもクオリティの高いもの」なのかもしれないが、
正直な話、私はただでも要らなかった。(ホントごめん)
クオリティの相場を知ろうよ。
周囲の人たちが思ってもない「いいねー♫」という言葉を浴びせることは本当に悪だよ。と、私は常々思うのだ。
なぜならそうやって低クオリティのままで満足して成長しないセンスや肥大するエゴを育ててしまうから。
本当にキケンなんだよ、と私は言いたい。
「なんでこんなふうに、相手の喜びそうなものを考えれないんだろ?」
と今日友人と話していたら、その友人はこんなふうに言っていた。
『モノをあげることで繋がりを持っておきたいんじゃない?』と。
なるほど。と、私は思った。
その友人はこう続けた。
『小学生のときとかって、どこどこ行ったからお土産〜って、お揃いのキーホルダーとかあげてたやん。その時は嬉しかったけど、月日が経つと「これどうしよう?」ってなるわけよね。それが徐々に社会に出るとお菓子とかになるわけよ。だからさ、止まってるんやない?小学生で』
なるほど。めちゃんこ納得。
私の周りの友人たちは元看護師だったり取引先の多い事務職だったりで、めちゃくちゃ社会に出ている人ばかりで、そのような価値観(手土産は消えものがいい、みたいな)がある程度同じだから、それが普通だと思って今まで生きてきた。
だけど、SNSとかで違うコミュニティの人と交流したりすると、今回のようなことが度々起こって、「なぜ?」と感じることが多かった。
少なくとも私も接客業でお客様もスタッフも自分よりも歳上の方が多く、
そういった社会経験とも呼べる価値観を学ぶ機会に恵まれてきたのだなと、改めて思った。
自作ポエムなんていらねぇから
上底のおまんじゅう持ってきな。
ひっひっひっ。