食べ物のフォルムの美しさ
今朝、出勤途中に寄ったコンビニ(某ローソン)で、レジ横にあるドーナツケースの中から抹茶のビスケットを買った。
特別抹茶が好きなわけではないし、コンビニのこういったドーナツ類なんてそんなに美味しいものじゃないのは分かっているのだけれど、「フォルムが好き」というだけでわたしの中の〝美味しいだろう数値〟がぐんっとあがってしまった。
この抹茶のビスケットは四角なんだけど、おそらく四角の型でサクッと切り、そして焼き上げた時にできる断層。四角の角の部分が崩れずに徐々に連なって生地が膨れている。それでいて四角を保ったままスマートに焼きあがっている。
この、形を見るのが、わたしは好きなのだ。
クッキーの中で一番美しいのは、やはりダントツに「アイスボックスクッキー」。
これは、こねた生地を細長く形成し、冷蔵庫で寝かして固まったものを1センチ幅ごとに包丁で切って焼くクッキーのことで、包丁で切った断面を保ったまま焼きあがる。
スパッと切れた断面はとても美しい。
わたしは店でクッキーを買う時、いつもこの断面の美しさを見ながら選ぶ。そこには飼い猫に向ける愛おしさみたいなものがある。
カロリーメイトブロックもこの中に含まれる。
カロリーメイトに関しては、ちょうど穴のところで割って、割れ目、穴、割れ目、穴、割れ目になった断面を確認してしまう。
穴の先がどうなっているか気になる。
ホールケーキの生クリームデコレーション。この、面と角。職人はすごい。
焼けたスポンジの上に泡立て器ですくった生クリームを無造作にボタっとのせ、まずは上面からパレットナイフでならしていく。そこから側面へクリームをひろげていき、もう一方の手でケーキの乗った皿をくるくる回しながら陶芸のようにナイフでぬりつけていく。
職人はすごい。素人の私が見た限りでは「もう十分きれいだよ」と思っても、まだまだ手早くならしていく。そして上面と側面が見事に少しの段差もなく鳴らされ、その面をつなぐ角はスパッと仕上がっている。
ずっと見ていたい。
クリスマス時期に厨房でずっと見ていてもいいですか。
邪魔はしません。ただひたすら見ていてもいいですか。