味噌汁の食べ方が気に入らなかった話
お久しぶりです。
もうずいぶんと更新していなかったので忘れ去られているかと思いますが、「もうそろそろ時効だから書いてもいいかな?」という話がいくつかあるので、書き留めておきましょう。その中の一つです。
以前、SNSで仲良くなった県外(関東)の男性から「福岡に遊びに行くから案内してほしい」と言われまして、遊びに行った時の話です。
わりと急な話(来る予定日の1週間前とか)だったのですが、たまたま私の休みと被っていたのでOKしました。が、なんとなく最初から向こうの段取りの悪さにイラっとしてしまう場面もあり、今思えば最初から断るべきだったなぁと思いました。
その段取りの悪さとは、「飛行機のチケットは取ったけど宿は取れていない」と福岡に来る日の前々日くらいに言ってきたこと。
は?なんで?バカじゃないの?
と思いましたね。普通に。
それからネットで宿を探したらしく、空港は福岡なのに、そこから電車で二時間もかかる某ア◯ホテルに取れたと連絡が。
ひとまず安心し、行ってみたいところがあるかと聞いてみたら、「軍艦島に行きたい」と。
いや…そこ福岡じゃないし。
恋人とかと行くレベルの場所やし。
まずそこまで車出す気はないわ。(車で約四時間半からの、船で一時間程)
朝何時に出発せないかんと思っとん。
いくら土地勘ないにしてもグーグルで調べてから言えよ。
などという私の心の声がそよ風にのってさらぁっと吹いた次の瞬間、「ごめん、それはムリ。島に行きたいなら大島にしよう。」と、最近世界遺産にも登録されたらしい沖ノ島の参拝所がある大島へ行き先を決めたのであった。半ば強引に。
大島という島があり、しかもフェリーで30分弱くらいで行けることを初めて知った、私が行きたかっただけなのだが。
そして民宿で海の幸が食べれる。
ということで、福岡は宗像にある大島へ船に乗ってランチしに行くプランに決定した。半ば強行に。
当日の朝、彼が泊まっていた某ア◯ホテルに迎えに行き、そのまま大島へ直行した。
フェリーというから、よくあるフェリーの感じをイメージしていたら、予想に反してわりと小型の、座席が敷き詰められた船だった。乗った感じもよくあるフェリーを予想していたら、これまた予想に反してかなり揺れるし、船酔いなどしなかった私が吐く一歩手前になるくらいまで酔ってしまった。
酔った私の横に座っていた彼も、ずいぶんと顔が青くなっていた。自分自身もやばいくらいだけど、人に吐かれるのはもっと嫌だ。それだけは勘弁してくれ、と心の中で祈りながら只ひたすら精神を統一していた。
すると、隣にいた彼がケータイを見ながら、先ほど支払ったフェリーのチケット代を家計簿に入力していた。
(いま、付けるなよ。)と、吐きそうな胃を食い止めるために統一している精神が揺らぎながら、イラっとしてしまった。
なんとか無事に島にたどり着き、足元もフラフラになりながら船を降りた。
ランチに行く前に船酔いなんてマジであり得ない状況の中で、彼は細やかな「イラつき」というジャブを終始打ってくるのだが、この時私はまだその気配を感じ取れていなかった。
予約した民宿はフェリー乗り場まで車で迎えに来てくれるというので、遠慮なくお願いした。
客は私達だけだったが、きれいな広い和室に通され、テーブルからは海が見渡せる絶好のロケーションだった。
私はお刺身の定食を、彼は魚の煮付け定食を注文し、1000円にしてはゴージャスなお膳が目の前に用意された。
普通に食べていると、彼がおもむろにお味噌汁のお椀の蓋を取り、味噌汁をすすり、またお椀の蓋をしてお膳に戻した。その一連の動作を、味噌汁をすするたびに繰り返していた。
何故そうするのか気になって仕方がなかったので、不思議に思った私は彼にきいてみることにした。
「ねぇ、何で蓋をいちいち閉めるの?関東の人はそうやって食べるのが普通なの?」と。
すると彼はこうこたえた。
『味噌汁が冷めるのが嫌なんだよね。他の人はしないけど、特に突っ込まれたことなかったなぁ。』
「いや、味噌汁は冷めるもんでしょ。」と、なんかもうよく分からないけどイラっとした。
後日思ったのが、「宿が取れない」とか言ってる段階で気付くべきだったんだなぁと。
あの時わたしの中の神は訴えかけていたのに。
何かがスムーズにうまく行かない時は、そのタイミングじゃないか、選択肢を間違えているときなのだ。
「おい、やめとけ。時間の無駄だぞ。味噌汁のお椀の蓋でイラっとするぞ。」(by 神)