平成のスナフキンを観に行った時の話
するするっとiPadをスクロールして今日は何を聴こうかとぼんやりしていたら、随分とご無沙汰していたアルバムが目に止まった。今日の心地いい天気にもぴったりな、スローテンポのアコースティックギターとオーガニックなやさしい歌声。
この人を知ったきっかけは、二年前くらいだろうか。
SNSで知り合ってまぁボチボチコメントをしたりされたりする程度の仲だった、とある県外の洋服屋さんに教えていただいた。
とてもセンスのいい方で、取り扱っているお洋服たちも可愛かったし、その方自身が音楽好きなのと業界にもそこそこ通じていた(らしい)ので、その方が発信する洋服や音楽の情報はとてもボリュームのあるものだった。
お洋服は私好みのものもあったので、その辺の量販店で買うよりは当たり前だけどオンリーワン的なものだったし、どうせ買うならせっかく知り合った人から買いたいなという思いがあり、何着か取り寄せてもらったかな。
ずっとそのまま、一定の距離をキープできれば楽しいものなんだろうけど、ある時から「僕は業界の誰々とも知り合いだし、店にもよく来る。あなたが聞いたら羨ましくなるような(こんなニュアンスの言い方だった)人とも知り合いなんだよ♪」みたいな、「俺、いろいろ知ってんだぜ。」的な自慢話が多くなり始めた。
あ。なんか面倒くさい。
そう感じた私は洋服をチェックすることもなくなり、いつの間にかフォローも外され、よくある「SNS疲れ」で全てがめんどくさくなり、一旦全てのアカウントを消去したりした。(ような気がする。あんまり覚えてない)
そんなことはあったものの、洋服屋の彼のセンスは共感できるものがたくさんあり、先に紹介した潮田雄一もその中の一つなのである。
ちょうどアルバムリリースに伴ったツアーで福岡にも来ると耳にしたので、こういう音楽(いや、どんな音楽もそうなんだけど)は特に生音に勝るものはないと思い、すぐさまチケットを取ったのを覚えている。
行ってみると会場はこじんまりとしたフリースペース的なところで、お客さんの椅子も20人ちょいくらいの、気のいいお兄さんがさらっとやってきてなんとなく始めてなんとなく終わるみたいな、ほんわかしたライブだった。
「今日は潮田さんのライヴに行ってきますね」と洋服屋の彼に云うと、「雄一に僕の名前を出してみてよ、すぐ分かるから」みたいなことを言われたのだけど、ほんわかしたライブだったので「一応これで終わりです。あとは帰られてもいいし、お時間大丈夫な方は僕まだギター弾いたり喋ったりしてるんで、適当にしてってください笑」みたいな感じで話しかける隙なんかいっぱいあったのだけど、なんせあがり症なもんで、「そんなどうでもいい話から先の話の展開なんてムリ。帰る。」と、そそくさと帰ってしまった。
大概の人に「神経図太い」みたいなこと言われるけれど、意外と繊細なんだぞばかやろう。
潮田さんはソロ活動の他に、QUATTRO(クアトロ)やSamm Bennett's GHOST STEPPERSなどでも活躍されています。
ほんわかほっこり縁側で聴きたくなるような音楽が好きな方は是非チェック。