私の中のワタシを忘れるために

錠剤は一粒ずつしか飲み込めない人が書くブログ。

わたしがフレディ・マーキュリーから学ぶこと

ボヘミアン・ラプソディー』を観てきました。

完全にネタバレなので、まだ観てない方はここで閉じてね。

ネタばれてもいいよ、という方は続きをどうぞ。

 

 

ぶっちゃけ私はそこまでクイーンのファンではないし、

彼らのことはメジャーな曲くらいしか知らないし、バンドやメンバーに対する思い入れはほぼ無いに等しい。それなのに、映画を見終わるころには自分の意志や感情の制御がきかないほどに、ぼろぼろと涙があふれ出て止まらなかった。こんなふうになってしまった映画は初めてかもしれない。

 

私はいま「マスミ・マーキュリー」という名前で“ドSタロットカウンセラー”として、タロットを使ったカウンセリング活動をしている。

ドS~、は置いといて。“マーキュリー”と名前をつけたのはちゃんと理由がある。

 

家でぼーっとネットサーフィンをしていた時のこと。
自分のホロスコープの水星に天秤座が入っていると知り、それはつまり、コミュニケーション能力や文才があり、表現をすることに長けている星の影響を持って生まれてきたということも同時に知った。

今までの人生、確かに手紙や文章を書くことは好きなほうだったが、コミュニケーションについては苦手意識があり、自分ではある時期まで「コミュ症」だと思っていた。自分の中にあるものをできるだけ正確に伝えたいという欲求があったため、短時間の人との接触では(当たり前だけど)すべてを伝えるのは無理で。それが最初から分かっているから、人との会話において多くの言葉を端折ったものにならざるをえなかった。コミュニケーションをあきらめていたのである。

「水星」はホロスコープ占星術)では、知性やコミュニケーション、情報伝達、商人、教師、音楽家、占い師(!)、などを司るトリックスター的な存在だそうで(私は占星術は疎い)、私は9月生まれの乙女座で、乙女座の支配星も水星なんですね。

なんだか水星のご加護をたくさんいただいてるし、「トリックスターっていいじゃん!なんかかっこいい!」という単純な動機で、『マーキュリー』を名前につけようかって浮かんだのです。

しかも、なぜか「フレディマーキュリーは9月生まれでマーキュリーにした」という情報をどこかの何かで知っていて、頭の隅にあったものがぽんっと出てきたもんだから、「わたしもそうする!!」と思い、マスミ・マーキュリーという名前が生まれたのです。自分のやっている活動がこれから活発になればいいな、という願いも込めて。

 

映画の話に戻る。

私はこの映画を、先に言ったような程度のバンドの情報と、まぁよくある自叙伝的な映画なんだろう、くらいの認識だけで観に行った。フレディ役をラミ・マレックが演じていることさえ知らなかった。

冒頭からの前歯のいじりや(私も前歯がコンプレックスだった)、周りの支えに素直に感謝せずむしろ気づかずすべては自分が一番という傲慢さや、奇抜な衣装で自分を魅せること、めちゃくちゃなわがまま、創作物に対する細部までのストイックなこだわり、「好き」に対しての貪欲さ、そしてロマンチックさ。 前歯は置いといて、おとなしい修道士のように思われがちな乙女座の素顔を彼は全力で体現していた。
ここでいう「彼」は、フレディ・マーキュリーでもあり、ラミ・マレックでもある。

 

バンドが徐々に成功に向かうにつれ、それとは対照的に、彼の存在に対する空間はどんどん狭くなっていく。“見られる”という面積が増えれば自分がだすもの、言動や行動に責任が伴うし、ある程度は世間を気にしなければいけなくなるのだが、そのような孤独を抱えつつも、彼はいつでも彼のままで存在していた。

自分が自分であり続けるというのは、ある種自分と世界を切り離すことにもなる。

しかし、それを恐れていてはいつまでも本当の自分には戻れなくなってしまう。

 

『何も変えたくない。』

自分がエイズだとわかった後の世間やバンドとのかかわり方も、乙女座である彼らしいなぁと感じ、胸がぎゅうぅっとなってしまった。

 

 


俳優ラミ・マレックが〈クイーン〉フレディになるまで/映画『ボヘミアン・ラプソディ』メイキング映像