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私の中のワタシを忘れるために

錠剤は一粒ずつしか飲み込めない人が書くブログ。

闇に輝くひとすくいの苔

周りが茶髪にしたりタバコを吸ったり、お化粧をケバケバとし始めた高校生ライフ。

わたしはといえば、今とは打って変わり髪も顔も無法地帯、タバコにもいっさい興味がなく、友人と当時まだ今より随分面白かったFUJIWARA2丁拳銃が出ていた深夜番組、「吉本超合金」の話で盛り上がったり、帰りのHRが終わると同時に光の速さで高速バスに乗り、運転手さんに光の速さで運転するように頼み込み、制服のままミッシェルガンエレファントのライブに飛び込み、拳を突き上げ、来ている観客を殴る蹴るの暴行まではしなかったが、それに近いようなことをしながら、わたしは私なりの高校生ライフを平凡に楽しんでいた。

 

そんな、昔からフォースかダークサイドかと聞かれれば断然ダークサイドのわたしだが、ある時期、サッカー部でロン毛、顔が特にカッコいいわけではないが今でいう〝雰囲気イケメン〟。友達ともつるむけどちょっと孤独さも匂わせるような風貌を持った、一つ歳上のM先輩という人のことが好きだった。

好きと言っても一度も直接関わったこともなく、或るとき校内で見かけた時に明らかに周囲の友達とはちょっとだけ違う空気〝ダークサイド臭〟を漂わせた彼に、私の目線は吸い寄せられて行ってしまった。所謂片思いである。

 

現在のわたしなら接客業で長年鍛えられたコミュ力を駆使し、話しかけることくらいはできたかもしれない。だが、当時の私はそんな勇気もサラサラなかった。

東にM先輩あれば、行ってSWATの動きで物陰に潜み、西にM先輩あれば、行ってそぉっと遠くの柱の陰から市原悦子のように見ることしかできなかった。

わかりやすすぎて、もしかしたらバレていたかもしれない。

 

そんな風に私がもたもたとSWATやら市原悦子やらの真似をしていたため、ある日「うちらと同級の女子がM先輩に告ったらしいよ」という情報をキャッチしてしまった。

「らしいよ。」なので実際本当に告ったのか、告ったとしてその後付き合うことになったのかまでは定かではなかったのだが、私の心は崩れ落ちてしまった。

「あらいやだ。すんごいやだ」と、心の中の悦子もボソッとつぶやいた。

 

もし今、現在のわたしがタイムマシンであの頃の私の前に降り立ったら、こう言い放つだろう。

 

 

「『南二死ニソウナ人』とはお前のことだ。」

 

 


吉本超合金 全部見せます超合金 牛乳ファイト編